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薬剤師になりたいけれど、中卒だから無理だと思っていませんか? 結論から言うと、中卒からでも薬剤師を目指すことは可能です。ただし最短でも7年、道のりは「高卒認定試験の合格」「大学受験」「薬学部での6年間の学習」「国家試験合格」の4ステップです。
この記事では、中卒から薬剤師になるための具体的な方法や必要な勉強、かかる費用、そして年齢・経済面でのリアルな注意点まで詳しく解説します。最短ルートを知り、今から一歩ずつ進んでいきましょう!
中卒から薬剤師になるには?基本ルートを解説
中卒から薬剤師になるための基本ルートについて説明します。
薬剤師になるための必須条件とは?
薬剤師になるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 6年制の薬学部・薬学科に入学し、卒業する
- 薬剤師国家試験に合格する
- 厚生労働省に登録し、薬剤師免許を取得する
薬剤師として働くためには、医学や薬理学、調剤の知識をしっかりと身につけることが求められます。中卒のままでは大学受験資格がないため、高卒認定試験(高認)を取得することが最初のステップとなります。
なお、2006年の薬剤師法改正により薬学教育は4年制から6年制に延長されており、薬剤師国家試験を受けるには6年制薬学部の卒業(見込み)が絶対条件です。「通信講座で薬剤師資格が取れる」という情報を目にすることがありますが、これは誤りです。薬剤師は医師・歯科医師と同様、6年間の大学教育を経なければ受験資格すら得られない専門職です。
中卒から薬剤師を目指す場合の一般的な流れ
- 高卒認定試験を受験・合格する(約半年〜1年)
- 大学受験をして薬学部に入学する(1〜2年の受験勉強)
- 薬学部で6年間学ぶ(講義・実験・実習を含む)
- 薬剤師国家試験に合格する
- 薬剤師として働く(免許取得後、病院や薬局で勤務)
最短でも7〜9年はかかります。学費や生活費についても事前に考慮し、奨学金制度や教育ローンの利用を検討しておくと安心です。
高卒認定試験とは?薬学部入学への第一歩
まずは、高卒認定からスタートします。
高卒認定試験の概要と合格に必要な科目
高卒認定試験(旧:大検)は、高校を卒業していない人が大学受験資格を得るための試験です。
- 必修科目:数学、国語、英語
- 選択科目:理科(生物・化学・物理)、社会(日本史・世界史・地理・政治経済)
8科目中7科目以上に合格すると、高卒と同等の資格が得られます。
高卒認定試験の勉強法とおすすめ教材
- 過去問を活用する(文部科学省の公式サイトから無料ダウンロード可能)
- 通信講座を活用する(スタディサプリ、ユーキャンなど)
- 独学でも合格可能(参考書と問題集を活用し、計画的に学習)
合格率は約80%と比較的高めですが、科目ごとに対策が必要です。特に数学や英語が苦手な場合は、重点的に学習しましょう。
薬学部に入るには?受験対策と大学選びのポイント
薬学部のある大学の選び方(国公立 vs 私立)
- 国公立大学:学費が安いが競争率が高い(例:東京大学、京都大学、大阪大学)
- 私立大学:学費は高めだが選択肢が多い(例:慶應義塾大学、昭和大学、東京薬科大学)
入試科目と合格ラインの目安
一般的に、薬学部の入試では数学(数ⅠA・ⅡB)、理科(化学必須+生物または物理)、英語が必要です。難関大学では偏差値60以上が必要な場合もあります。
学費の目安と奨学金制度
6年間でかかる学費の目安は以下の通りです。
| 区分 | 学費(6年間合計) |
|---|---|
| 国公立大学 | 約350〜400万円 |
| 私立大学 | 約1,000〜2,000万円 |
これに加えて、教科書・実習用具代(6年間で約50〜80万円)や、自宅を離れて一人暮らしをする場合の生活費(月10万円×72ヶ月で約720万円)も見込んでおく必要があります。国公立大学に自宅から通える場合でも最低400万円程度、私立大学で一人暮らしをする場合は総額2,000万円を超えることも珍しくありません。
費用を自己資金だけで賄うのが難しい場合、多くの学生が奨学金や教育ローンを利用しています。たとえば日本学生支援機構の第二種(有利子)奨学金を月12万円・6年間借りた場合、借入総額は864万円、返済期間は20年、月々の返済額は約4〜5万円が目安です。奨学金は借金であることを踏まえ、返済計画を立てたうえで利用を検討しましょう。
6年間の大学生活と薬剤師国家試験の合格率・難易度【2026年最新】
薬学部で学ぶ内容と実習の流れ
- 基礎医学・薬理学(1〜3年生)
- 実習・研究(4〜6年生)
- 病院・薬局での実務実習(5〜6年生)
国家試験の合格率と対策方法
2026年3月に合格発表が行われた第111回薬剤師国家試験の結果は以下の通りです。
- 受験者数:12,774人
- 合格者数:8,749人
- 合格率:68.49%
- 合格ライン:213点/345点満点(必須問題は配点の70%以上、かつ禁忌肢選択は2問以下)
前回の第110回(68.85%)からわずかに低下したものの、近年の合格率は68〜70%台で安定して推移しています。
対策のポイント
- 過去問を徹底的に解く(過去5年分は最低限)
- 模擬試験を活用する(メディセレ、TECOMなど)
- 大学6年生の4月頃から本格的な試験対策を始める学生が多い
新卒と既卒で合格率はどう違う?
第111回の結果では、新卒合格率が86.25%(過去11年で最高水準)だったのに対し、既卒合格率は41.33%にとどまりました。新卒で一発合格できなかった場合、合格率はおよそ半分に落ち込む傾向が続いています。これは、卒業後は大学の国家試験対策サポートが受けられなくなるためです。年齢を重ねてから薬学部に入学する場合、記憶力・体力面でのハンディや、既卒受験になりやすい点も踏まえておく必要があります。
他の医療系国家試験と比較すると
2026年実施分の主な医療系国家試験の合格率は次の通りです(試験ごとに受験資格・出題形式が異なるため、単純な難易度比較ではなく参考値としてご覧ください)。
- 医師国家試験:約91.6%
- 看護師国家試験:約88.3%
- 理学療法士国家試験:約89.7%
- 薬剤師国家試験:約68.5%
薬剤師国家試験は、医療系資格の中でも合格率が低めの部類に入ります。
受験前に知っておきたい試験のポイント
- 試験は年1回(例年2月)のみ
- 合格基準は総得点のおおむね6割強(年度により変動)
中卒から薬剤師を目指すときに知っておきたい現実
ここまで薬剤師になるためのルートを解説してきましたが、現実的な負担も理解した上で判断することが大切です。
年齢的な負担への配慮
中卒から最短ルートを進んでも、薬剤師デビューは25歳前後、時間がかかれば27〜30歳頃になることもあります。同期の薬剤師は22〜23歳が多いため、年齢差や、6年間のカリキュラムについていく体力面の負担を感じる人もいます。年齢を理由に諦める必要はありませんが、長期的な視点を持って取り組むことが重要です。
経済的な負担の大きさ
先述の通り、学費・生活費を合わせると最低でも400万円、私立大学で一人暮らしの場合は2,000万円近くかかることもあります。親の支援が受けにくいケースでは、奨学金や教育ローンの返済計画を早い段階で立てておくことをおすすめします。
仕事と学業の両立は可能か
薬学部には夜間部がなく、授業は平日昼間にフルで組まれているため、フルタイムで働きながら通学することは現実的に困難です。土日のアルバイトや、長期休暇中の短期バイト程度であれば両立の余地があります。
どんな人が薬剤師に向いている?年収・働き方も紹介
向いている人の特徴
- 化学や生物の勉強が好きな人
- 7〜10年という長期的な視点で人生設計できる人
- 経済的な支援(奨学金・家族の援助など)が受けられる環境にある人
- コミュニケーション能力があり、患者対応に前向きな人
逆に、「安定していそう」というイメージだけで目指すのはミスマッチのリスクがあります。
年収の目安と将来性
一般的な目安として、薬剤師の平均年収はおよそ500〜600万円程度とされています(勤務先・地域・経験年数により差があります)。調剤薬局、ドラッグストア、病院、製薬会社など働き方は多様で、高齢化に伴い在宅医療・地域医療での役割も広がっています。一方で、薬学部の定員増加や調剤報酬の動向など、将来的な環境変化にも留意が必要です。
働き方の柔軟性
正社員だけでなく、パート・派遣・在宅医療(訪問薬剤師)など働き方の選択肢が多く、ブランクがあっても復帰しやすい点も薬剤師の特徴です。ライフスタイルに合わせて働きたい人にとっては魅力的な選択肢といえます。
薬剤師以外の選択肢|中卒から目指せる医療系の仕事
薬剤師までの道のりが自分には長すぎる、と感じた方のために、中卒からでも目指しやすい医療系の仕事を紹介します。
登録販売者(最もおすすめ)
一般用医薬品(市販薬)のうち、第二類・第三類医薬品を販売できる国家資格です。学歴・年齢・実務経験を問わず受験でき、勉強期間は3〜6ヶ月程度が目安です。合格率はおおむね40〜50%程度とされています。正社員であれば年収300〜500万円程度、店長クラスになればさらに上を目指せる場合もあります。薬剤師のように第一類医薬品の販売や処方箋調剤はできませんが、ドラッグストアの日常業務では対応できる範囲が広く、実務上の差はそれほど大きくありません。
▼3ヶ月で準備準備できる公的資格▼登録販売者 合格指導講座
調剤薬局事務
調剤薬局で受付・会計・レセプト業務などを担当する仕事です。民間資格で受験資格が不要、通信講座で3〜6ヶ月ほどで取得を目指せます。年収の目安は250〜350万円程度で、薬剤師ほどではありませんが、医療事務の知識を身につけながら薬局という安定した職場で働けます。
看護師という選択肢
看護師も高卒資格が必要ですが、専門学校(3年制)や看護大学(4年制)を経て国家試験に合格すれば目指せます。薬剤師(最短7年)より短い最短4年程度で資格取得でき、学費も専門学校であれば300〜400万円程度と抑えやすいのが特徴です。国家試験の合格率は例年85%以上と高く、求人も多い選択肢です。
よくある質問(FAQ)
Q. 中卒から薬剤師になるまで何年かかりますか?
A. 高卒認定試験の合格(半年〜1年)、大学受験、薬学部での6年間の学習を経て国家試験に合格するまで、最短でも7〜9年かかります。
Q. 中卒で薬剤師になることは絶対に不可能ですか?
A. 「不可能」ではなく「直接は無理」が正確な表現です。高卒認定試験に合格し、薬学部で6年間学び、国家試験に合格すれば、中卒からでも薬剤師になれます。ただし最短でも7年、現実的には8〜10年ほどかかり、費用も数百万〜2,000万円程度必要になります。
Q. 薬剤師国家試験の合格率はどれくらいですか?
A. 直近の第111回(2026年)の合格率は68.49%でした。ただし新卒に限ると86.25%、既卒では41.33%と大きな差があり、現役合格が重要になります。
Q. 高卒認定試験の合格率はどれくらいですか?
A. 高卒認定試験の合格率は約80%と比較的高めです。ただし科目ごとの対策は必要になります。
Q. 働きながら薬剤師を目指せますか?
A. 現実的には非常に困難です。薬学部には夜間部が存在せず、授業や実習はすべて平日昼間に行われます。土日のアルバイト程度なら可能ですが、フルタイムで働きながら通学することは物理的に難しいのが実情です。
Q. 薬剤師と登録販売者、どちらを目指すべきですか?
A. 7〜10年の長期的な視点で考えられ、経済的な支援を受けられる方は薬剤師、できるだけ早く(最短3〜6ヶ月)資格を取得したい方や、働きながら目指したい方は登録販売者が向いています。
Q. 奨学金を借りて薬学部に通うのは現実的ですか?
A. 可能ですが、返済計画を事前に立てておくことが重要です。月12万円を6年間借りると総額864万円になり、返済期間は20年、月々の返済は4〜5万円程度が目安です。薬剤師の初任給から考えて無理のない範囲か、事前にシミュレーションしておきましょう。
まとめ:中卒から薬剤師を目指す最短ルート
中卒から薬剤師になるための道のりをまとめます。
- 高卒認定試験に合格する(最短半年〜1年)

- 薬学部に合格する(受験勉強1〜2年程度)
- 6年間の薬学教育を修了する
- 薬剤師国家試験に合格する(2026年の合格率は68.49%、新卒86.25%/既卒41.33%)
- 合計:最短7年、現実的には8〜10年、費用の目安は400万〜2,000万円程度
化学・生物の勉強が好きで、長期的な視点と経済的な支援がある方には、薬剤師は十分に目指す価値のある資格です。一方で、より早く医療系の仕事に就きたい方には、登録販売者(最短3〜6ヶ月)や看護師(最短4年)といった選択肢もあります。自分の状況に合った道を選び、着実にステップアップしていきましょう。
▼3ヶ月で準備準備できる公的資格▼登録販売者 合格指導講座


